バローロ・ブッシア 2020 ポデーリ・アルド・コンテルノ

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平日の夜、家族が寝静まったあとの静かな食卓。
時計の針が21時を回ったころ、一日の仕事を終え、ようやく自分の時間がやってくる。

今夜の一杯は、イタリア・ピエモンテから届いた若いバローロ。
ポデーリ・アルド・コンテルノの「バローロ・ブッシア 2020」。
グラスに注ぐと、ややオレンジがかった透明感のあるルビー色。縁が淡く色づいていて、色のあたたかみに心がほぐれていく。

バローロと「ブッシア」の魅力

バローロは、ピエモンテ州ランゲ地区のネッビオーロ種から造られるイタリアを代表する長熟ワインです。
しっかりとした酸と力強いタンニン、そして複雑で品のある香りが特徴で、「ワインの王」とも称される存在です。

その中でも「ブッシア」は、モンフォルテ・ダルバ村を代表するクリュ(単一畑)として知られています。
標高300〜450mの丘陵地に広がり、石灰質と粘土を含む土壌がしっかりとした骨格と熟成ポテンシャルをワインにもたらします。
一方で、果実味や華やかなアロマが開きやすく、クラシカルな中に優美さが漂うテロワールでもあります。

ポデーリ・アルド・コンテルノの造り

ポデーリ・アルド・コンテルノは、バローロの名門「ジャコモ・コンテルノ」から独立したアルド・コンテルノが設立したワイナリーです。
伝統的な長期熟成と大樽熟成のスタイルを守りながらも、過度な抽出を避け、果実の透明感と気品を活かすスタイルを築いています。

そのワインは「優雅なモダンクラシック」とも称され、力強さと繊細さの両立が魅力です。

テイスティングノート

まずは香り。
可憐な赤系果実(イチゴやラズベリー)とバラの花びらがふわりと広がります。
そこにスミレ、ハーブ、わずかなスパイスが重なり、香りに奥行きをもたらします。

口に含むと、きれいな酸と引き締まったタンニンが静かに、でも確かに存在感を放ちます。
香りの可愛らしさとは裏腹に、味わいはストイックで研ぎ澄まされており、芯のあるバローロらしさがしっかりと感じられました。

余韻には、静かな甘みのような要素が現れ、どこか優しい余情を残します。

食卓のひととき

今夜の食卓には、トリュフチーズとパテ・ド・カンパーニュを用意しました。
バローロの酸がパテのコクを引き締め、トリュフの香りがワインのフローラルさをより豊かに感じさせます。

透明感とあたたかみのある、癒しの色合い。可憐で軽やかでありつつも奥行きがある華やかな香り。しっかりとした酸とタンニンの引き締まった味わい。そして全てが過ぎ去った後のどこか甘い優しい余韻。どれをとっても非常に魅力的で、バローロの持つ多面性を存分に感じられるひとときでした。

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