今回は我が家のサウナについてご紹介します。
自分なりのこだわりを設計に反映してもらい、理想に近いサウナが完成しました。
そのおかげで、毎日のリラックスタイムが格段に充実しました。
この記事では、快適に「ととのう」ために工夫したポイントを中心にご紹介します。
私のこだわりポイントは4つ。「寝転んで入りたい」「息苦しくないサウナにしたい」「ロウリュをしっかり楽しみたい」「北海道の木材を使いたい」です。
① 寝転んでも余裕のあるベンチ設計
「寝転んで入りたい」という希望から、上段ベンチの幅を220cm、奥行きを70cmとしっかり確保しました。座って入るとどうしても顔や頭ばかり熱くなってしまい、足元が温まる前に苦しくなってしまうことがあります。サウナのベンチで寝転んでいると、身体全体を均等に包むような熱の心地よさが味わえます。
また、余裕のあるベンチ設計にすることで、足を伸ばして横になれるだけでなく、軽いストレッチや自重トレーニングもできてしまいます。身体がしっかり温まった状態でゆっくり動かすことで、柔軟性の向上やリフレッシュ効果も期待でき、まさに一石二鳥です。

②効果的な空気循環の設計
「息苦しくないサウナ」を目指し、ドアの下縁を床から10cm浮かせる設計にしました。
さらに換気扇を対面の上段と下段の間に設置し、ドアから入った空気がストーブで温められて上昇し、再び下降して換気扇から排出されるようにしました。
これにより、外気が自然に取りこまれ、室内の空気が常に循環するため、長時間でも呼吸がしやすく快適に過ごせます。


③ロウリュも本格的に楽しめるストーブ選び
「ロウリュをしっかり楽しみたい」という希望から、少しオーバースペックのストーブを選びました。
サウナストーブの出力は一般的に「1㎥あたり1kWが目安」とされています。
我が家のサウナは幅2.2m × 奥行き1.8m × 高さ1.9mで、約7.5㎥。この体積に対して、やや余裕のある10kW出力のストーブを採用しました。これにより、空気を循環させても十分な熱量が確保でき、ロウリュをしてもしっかり蒸気が充満する本格的なサウナ体験が可能になりました。


④地産地消への思いと、青森ヒバという選択
札幌に住んでいるので、北海道産の木材でサウナを作りたいと思っていました。
ですが、香りの豊かさや耐久性、水まわりでの安心感などを考えるとやはり、お隣・青森のヒバの魅力が際立ちました。
特にこのヒバは、古くから社寺建築に使われてきたほど、湿気や腐食に強く、時間が経っても木肌の美しさとやさしい香りを長く楽しめるのが特長です。
サウナに入った瞬間にふわっと広がるヒバの香りがとても心地よく、幸せなサウナ体験を後押ししてくれます。
私はこの青森ヒバの香りと肌触りが本当に好きで、サウナとして使うだけでなく、時には本を読んだりうたた寝をしたりと、お気に入りの隠れ家のように過ごすこともあります。

そのほかにも、居心地を高めるために細かな工夫をしています。
⑤天井高と段差の絶妙なバランス
天井高を190cmに抑え、上段・下段の高さを40cmずつに設定しました。
上段に座ったとき、頭上に約20cmの空間ができるように計算されており、効率よく温まると同時に圧迫感のない快適な座り心地を叶えました。
⑥目に優しい調光式間接照明
照明には調光式の間接照明を採用しました。直接目に光が入らない設計とし、その日の気分や体調に合わせて明るさを調節できます。光によるリラックス効果も得られる、サウナ空間を引き立てる要素のひとつです。
⑦自然光とつながる、開放的なサウナ空間
ドアは全面ガラスに、サウナ室には大きな窓を設けることで、圧迫感のない開放的な空間に仕上げました。外の光がやさしく差し込み、木の質感と相まって、時間帯ごとに変わる表情が楽しめます。
また、窓の外には水風呂が見えるようになっており、サウナと水風呂とのつながりが視覚的にも感じられる設計になっています。
しっかり温まって、視線の先に水風呂が見える――この動線があることで、「ととのう」までの流れもとても自然に感じられます。

今日は香り立つ青森ヒバの空間で、静かに読書を楽しみながら、少しだけワインをいただきます。
フランソワ・フュエのシャンボール・ミュジニー2022。
透明感のあるルビー色に、若々しいベリーの香り。
柔らかい甘みからすっきりした酸味へと移ろい、軽やかな余韻が残ります。
今でも十分に魅力的だけど、まだ成長の途中。
我が家のサウナ室と同じように、これからどんな表情を見せてくれるのかが楽しみな1杯です。

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